旅人
Kobayashi Takeshi
何も見えない暗闇でも
時は静かにうごき出す
銀河の中の泡のように また
いのちの色がきらめいた
何の理由があって生まれ
どんな物語になるかも解らないけど
終わりはないと願う
いくつもの想い連れて
この荒野の向こう 歩いてゆこう
与えてくれた人と
与えられた人々が
新しい地平で交わりはじめている
欲望は時に 涙の色
流れて見せる 街の灯も
悲しいような 微笑さえも
いつかどこかにたどり着く
「どんな時も分かちあえる」
その言葉は奇麗ごとに
聞こえてるけど
沈黙の奥にある
暗闇の中にある
小さな発芽を見守っている
信じていけなくても
どこまでも踏み越えて
痛みの香りの
花が咲いてもいいから
朽ち果ててく果実のように
種を土に還すように
人も生きている
今が好きなあなたと
未来を想うあなた
二つの自分が住んでいても
それはひとつの旅を
続けている旅人で
見果てぬ未来へ 確かに歩いている
新しい地平であなたに出会うために