水の音楽
貴男 田島
だれもいない広い砂地
焼けるように暑い
揺れる陽炎じっと 子供が見つめ
幻を知りたいきみは
熟い揺らめきのほうへ
走ってゆく 走ってゆく
息をひそめ一枚ずつ重ねて
組み立てた
古いトランプのピラミッドは脆く
出来上がるところでいつも
崩れ大人たちの目は
途方に暮れ 途方に暮れ
花に水をやらなければ
枯れてしまうように
夢のなくなった場所には住めない
きみはキャラバンを組んで
見えないオアシスもとめ
砂漠を渡る 砂漠を渡る
水の流れの幽かな音に
導かれてゆくがまま
水の砕ける儚い音に
導かれてゆくがまま
ウー ララララ
道しるべ無数に
立てられては倒れた場所に
錆び付いたままあちら
こちら指している矢印
暇をもてあます少年たち
石を投げつけて
ただ遊んでる 遊んでる
星明かり雲にかき消され
砂に疲れ果てて
噂や欲につきまとわれ
ツキに見放され
誰の問い掛けも答えもない
闇に独りきり
朝を待つ 朝を待つ
水の流れの幽かな音に
導かれてゆくがまま
水の砕ける儚い音に
導かれてゆくがまま
水の女神は 砂に描かれた
最後の願いを
いつか見るのだろうか
The Stream of Time.
Streaming Tears.
Streams of People.
明日も今朝のように
耳を澄ますのか
地平線の向こうの エコーに
水の流れの幽かな音に
導かれてゆくがまま
水の砕ける儚い音に
導かれてゆくがまま
水の流れの幽かな音に
導かれてゆくがまま
水の砕ける儚い音に
導かれてゆくがまま
ウー ララララ
