例えば
Iori Kanzaki
正解全部ぼやけても
見たかったんだよ
孤独の夜に
過ぎ去った日々を思い出す
あの笑顔から
すれ違う手から
逃げ出したかった
焦点の合わない日々が海のようで
這い上がれない
正解なんてない日々に
構えなかった
抱えたものに潰れそうで
ああ もう捨てたいよ
横切ったため息とか
苦しみも 悲しみも 春風を知った雪雲も
全部偽物で 意味は今更どうでも良くて
その全てが泥に見えて
その光は今の僕に
とっちゃ迷惑で 本当苦しくて
目を背けてしまう前に見えた
一瞬の日々を信じたいから
僕は生きる
正解全部ぼやけても
今更なんだよ
孤独の夜
教室の隅 切なく響く無音が脳を揺らしている
気づけば教科書が落ちる
でもその中で
垣間見た景色は
優しさは ドキドキは あの人の手の温もりは
全部本物で僕には眩しかったりして
その全てが美しくて
果てしないまま道は続く
足がもたついて
地面は硬くって
例えばあの日見た光の渦全てが
僕がここにいる理由だったなら
歩くしかない
何もかもが通り過ぎる
ノイズが乗っかって
景色が吹き飛んで
光だけはそこにあって
それこそが君だ
例えばその光があれば
揺れる瞳も 爪の色も あの人の手の温もりも
全部を捨ててもいい
どうでも良いんだよ
君が笑ってくれれば
僕は溺れたままでいい