風
この部屋の灯りも誰かが 夜景の一つに数えているかな
名前のつかないエキストラにも それぞれ物語はあるのさ
今書いているこの歌が
また夢を叶えてはくれなくても
まだこの街を生きたい
都心環状線 長距離トラックの下くぐって舞い上がり
高層ビルの隙間ぬって 非常階段の柵すりぬけて
繁華街ネオン染まりタクシーかわし 私鉄にあおられて
この窓にたどり着いた 東京の風が好きだ
スクロールしても追いつけない 言葉がいくつも 過去になってく
何億分の1だって それぞれに答えを探してる
今あげている この声が
また僕を何者にもしなくたって
まだこの街を生きたい
越えて湾岸線 滑走路 飛行機の下くぐって 舞い上がり
芝公園 タワー滲んで 地下鉄の改札をすり抜けて
交差点 信号待ち 渋滞かわし 季節にあおられて
この窓にたどり着いた 東京の風が好きだ
下り3番線 さよなら二人の背をかすめて舞い上がり
工事現場の汗 拭って 残業続き スーツ襟かすめ
恋に夢に仕事に憧れ全てに 流される涙を
そっと撫で続けてきた 東京の風よ
都心環状線 長距離トラックの下くぐって舞い上がり
高層ビルの隙間ぬって 非常階段の柵すりぬけて
繁華街ネオン染まりタクシーかわし 私鉄にあおられて
この窓にたどり着いた 東京の風が好きだ
そしてまた誰かへと 東京の風を繋ぐ