置き手紙
あれは何年前の話だ
ずいぶん前の長い話だ
話そう
「これで
やめる腹積りだったんだ
会いに行くつもりは
別になかったさ
今日は
天気がいいみたいだ
雲一つない夜だ
星を見にいこう
君は何も知らない顔で笑ってくれたよね
だから僕らの日々が 壊れ 崩れていこうとも
言っちゃいな
今伝えたいことが
僕たちが僕たちを
思い合えるような魔法の言葉
今伝えたいことが
無愛想な愛情もかき消すような
魔法の言葉
明日こそ君に伝えにいこう
『未練がここで消えずに
もしも私が不死の病にかかったら』
なんてそれは
ゆるい 金縛りみたいに
絡み 暖かい 君の方に潮は
変わってた
今日も何も知らない顔で笑ってくれよね
たとえ息が詰まり 悶え 震えていようとも
言っちゃうわ
今伝えたいことが
僕たちが僕たちを
思い合えるような魔法の言葉
今伝えたいことが
無愛想な愛情も
かき消すような魔法の言葉
明日までに唱えきるよ
綴りきれない
呼吸の数だけ生えた思いは
溢れ育ってた
不死の病がもしあるなら
あぁ もうやめよう
口に出さずに
『腐りきるまで 別てぬ二人で』
その伝えたいことは
僕たちが僕たちを
思い合えるような魔法の言葉
この伝えたいことが
無愛想な愛情も
かき消すような魔法の言葉」
なんて腐りきった二人の話