ほほえみ
miyazawa kazushi
時間のぬかるみに
足を取られそうな夜
テーブルの焦げ跡
指でなぞっている君
君の心に 絡んだ毛糸をほどいて
何も聞かずに
今すぐ抱きしめられたら
泣き出してしまえば
楽になると知ってても
僕の胸の中 試すように微笑んだ
君の心に 綴った日記を破いて
何も言わずに
今すぐ抱きしめられたら
巡礼の足音が近づく
罪人のねぐらにも燈を灯すために
君への愛が 言葉に出せずに錆つく
手にしたものは
時間とギターと砂時計
失くしたものは 翼と海図と君だけ