はじまりの国
hatano hirofumi
架空の国境を跨ごうとしている
まばたき忘れ 呼吸忘れ
また振り出しに戻った
扉から細く漏れる光
偶然が重なり続ける街
煉瓦のように積まれる
思想を溶かしてみたい
天才だらけの庭
僕はもう生きては
いないかもしれない
眩さに驚き目を開いたまま
若い哲学者の口を
ガムテープでぐるぐる巻きに
開いたページ破ってしまえ
それは未来からの手紙
君はもう生きては
いないかもしれない
住み慣れた街の亡霊に取り憑かれて
行こうかな
戻ろうかな
いっそ踊ろうかな
行こうかな
戻ろうかな
いっそ踊ろうかな
行こうかな
戻ろうかな
いっそ踊ろうかな
行こうかな
戻ろうかな
いっそ踊ろうかな
僕ら自由さ
抜け出して
この永い熱病から
もう誰もいなくなって
気配だけがざわついている