ミラクル
Nokko, 麻子 路木
なくしたペンをひきだしで見つけた
のき下のネコに子供が生まれた
太陽は月に廻りこみ
予告もなく言葉をなげかける
あなたの瞳を感じた
かみなり雲のように
輝いて
からめた腕のあいだに風がふき
冬じたく セーターの穴を見つけた
不思議はいつか不思議では
なくなって
ほおずえをついている
あなたを愛していること
さけぴつづけた後で
気がついた
魔法は空へ そしてあなたがいた
息を吸うたびに 雲は晴れてゆく
朝もやのおりた白い冬の道
キスをするたぴに
やさしいやさしいミラクル
なにげない日にも 庭に花は咲き
夕焼けの色は愛を増していった
なくしたペンをひきだしで見つけた