あの頃私は
あの頃私は とても若くて綺麗
町中の男たちをトリコにしていたわ
朝露に濡れて咲く花のように
誰もが私の心を手折りたがった
あの頃私は 愛の意味も知らずに
幼さと自惚れをただ身にまとってた
私を抱く腕を待ちわびながら
未来はまぶしいもので溢れてた
そう… 青空に警報が響くまで
町が瓦礫に変わるときまで
あの頃私は とても若くて綺麗
そしてそれは武器に変わっていった
生きるため何と戦えばいいのかを
男たちのまなざしが教えてくれた
そう… 泥水と埃にまみれても
ダイヤモンドに価値があるように
運命が言った 死ぬなと私に
運命が言った 生きろと私に
何もかもを失くしても
命があれば きっとまた輝ける
あの頃 私の青春が終わったあのとき
希望は土に埋もれ 夢はそうひび割れて
灰色に彩られた景色を見つめ
私は悲しみのなかで大人になった
でも… 荒れ果てた大地にも陽は射して
緑が芽吹く ねぇいつの日か
運命が言った 死ぬなと私に
運命が言った 生きろと私に
何もかもを失くしても
命があれば きっとまた輝ける
あの頃私は とても若くて綺麗
いまの私は 若くも綺麗でもないけど
それでも生き抜いた自分を褒めてあげよう
人生という名の戦いが終わるそのときに
運命が言った 死ぬなと私に
運命が言った 生きろと私に
何もかもを失くしても
命があれば きっとまた輝ける
運命が言った 死ぬなと私に
運命が言った 生きろと私に
苦しんで悲しんで傷ついても
生き続けてゆく きっとそれだけでいい