シグナル
素生 松本
揺れる雲間にうなる星空
小さな窓に立てかけた宇宙
1DK の水槽の中で
夢見てたのはあたたかい海
机の上に散らばったまんまの
いつかの夜が僕にささやく
「ぬくもりを探してんだろ?」
「一人ぼっちで探してんだろ?」
願った闇の中で
息継ぎもしないで生きようとして
きっと僕は漂流者
痛みのないほうへ行きたいだけ
あぁ世界を
燃やしてしまうほどの朝焼け
僕のきらいな弱い僕も燃やしてくれ
世界を焦がしてしまうほどの朝焼け
僕の凍えた薄い胸を焦がしてくれ
暗い部屋いつもそうだよ
息継ぎが苦手だったよ
笑っていたいな変わってみたいな
とまって見えた世界が動いた
ずっと闇の中で
息継ぎもしないで生きようとした
曇った窓を開ける流れ出す未来