あなたといた季節
眠子 及川
海が見える 静かなこのレストラン
あの日あなたと ちいさな喧嘩して
飲みかけてた紅茶 テーブルに残し
夜の舗道を ひとりで帰ったの
ふたりあれから
どこか気まずくなり
背中向けたまま
恋が終わりを告げたね
あなたといた季節へと
胸の時計 巻き戻してみても
笑顔に逢えなくて
いまだったら ゴメンねと
私の気持ちを
素直に伝えられるのに
同じ車 街角で見かけるたび
いまでも すこし
ドキドキするけれど
やっと微笑みながら思い出せる
時の神様が
痛み消してくれたから
あなたといた季節へと
まるでページめくるように ひとり
来てみた この場所に
でも優しいぬくもりは
もうどこにもない
瞳をそっと閉じる
いまだったら 大好きと
あなたへの気持ち
素直に伝えられるのに...