真夏の国境
涼 飛鳥
燃えさかる街をさまよい歩いた
地平の彼方に沈む夕陽が紅い
見上げる空に傷ついた鳩が
悲しげな瞳をして西の空へ翔けてく
この心祈りにみちて
遠い故郷をふり返り
俺はそっと瞳を
閉じなつかし貴方想う
ここは幸なき悲しみの世界
人は武器を片手に
欲を競いあっていた
夜明けの夢か真昼の幻か
真澄の空を人は乱しつづけた
吹き荒れる風よ灰色の雲よ
愚かな罪人をどうか許したまえ
この心祈りにみちて
遠い故郷をふり返り
俺はすべて投げ出し
ただ走りつづけた
俺は愛する貴女を求めて
真夏の国境を今越えようとしている
俺は愛する貴女を求めて
真夏の国境を今越えようとしている
やすらぎ求めて