月光
Takahiro Matsumoto, Koshi Inaba
眠りにおちてゆく その横顔を
むさぼるように見つめ
胸の響き 悟られぬよう
青く染まる部屋を抜け出した
すべてを盗みたい
かすかに漏れる息まで
なのにいつかは
離れて行くと男は呟いている
何かを期待することで
時にすれ違うけれど
無心に与えあい続けることは
夢の道端に咲く花のようだ
誰にできることなのだろう
ひとつの想いだけを
貫こうとすればするほど
愛とはほど遠い力に
激しく揺さぶられる
波のうねりのような
正直なわがままを
もっとぶつけてくれ
ごまかしはしない
あなたを抱き締めよう
とぎれた薄い雲が (moonlight)
目の前をまた横切れば
密かにも大きな決心が
今夜もぼやけてゆく
闇の中から柔らかに
月は照らし続ける
少しづつ ずれながらも手探りで
寄り添い歩く心を