銀の腕時計(SINGLE VERSION)
三戸華之介
南の方から 君は現れて
峠の彼方へ とんでく
銀の腕時計 針がまわってる
目にもとまらぬ スピードで
ポプラの木陰で 君をみつめてる
長い長い午後を ついやし
僕の時計は 壊れてしまって
3時5分で 動かない
僕の午後は いつも晴れで
君にも少し 分けてあげたい
ちょっとだけ ちょっとだけ
ちょっとだけさ
長い長い午後に ひざを抱えてる
そして君がとなりにいれば
腕の時計をとめて
銀の腕時計 君に巻きついて
峠の彼方へ連れ去る
僕の捧げる 花は届かない
風にさらわれ 舞い散る
僕は空回り 所在がないから
ポプラの木陰で まどろむ
僕の見た夢 野辺の有りさま
七色の花が 咲きほこる
君が僕を 通り過ぎて行く
腕にまいてる 時計がせかす
もっと行け もっと行け
もっと走れ
長い長い午後に 鳩が飛んできた
そして君がとなりにいれば
腕の時計をとめて
そして君がとなりにいれば
腕の時計をとめて
君の午後は本当は長い
腕の時計をとめて
花の首飾り二人で編もう
腕の時計をとめて