小夜月
Shingo Nakamura
幽かな小夜の 足音が聴こえる
木々の言の葉 私に影を塗る
零れ落ちてく 零れ落ちてく
泪は何処へと流れ 消えるのだろう
隠されてゆく 隠されてゆく
凛とした葉風が頬を 掠めてゆく
散りゆく花びら 私を慰める
小夜月 眼に滲ませる
泪は 雨となり 海となり
誰かを抱くのだろう
彼の月が 私へと 輝きを紡ぐ様に
例えこの手で 触れられずとも
例えこの声が 届かずとも
私はきっと 独りきりじゃない
私はきっと
移ろう時に 溜め息を預けて
答えなき問いの 答えを探してる
飲み込まれてく 飲み込まれてく
永遠に続く樹海の息吹 そのしじまに
彷徨うばかり 彷徨うばかり
夜明けを知る由もなくて 震えている
それでも私は 光を忘れない
小夜月 あなたを見上げれば
泪が 哀しみに 寂しさに
あなたを手招いても
宙高く 解き放つ 私が光になる
やがて小夜は明けて あなたを隠すだろう
私は二度と二度と二度と
恐れはしない
哀しみに 寂しさに
あなたを手招いても
宙高く 解き放つ 光を
泪は 雨となり 海となり
誰かを抱くのだろう
彼の月が 私へと 輝きを紡ぐ様に
例えこの手で 触れられずとも
例えこの声が 届かずとも
私はきっと 独りきりじゃない
私はきっと