シェルブールは霧雨
隆 松本
古い港 雨宿りのカフェで
石畳 歩く傘の色どりを
目で追うのよ
仔犬抱いて車降りる少女
その横に綺麗な人
そしてあなたがいた
過ぎ去った日が蘇る
シェルブールは霧雨
雑誌読む振りをしながら
そっと顔をそむけた
私は独り
汽笛が鳴る あと1時間後に
ロンドンヘ帰る汽車の
客室で景色みてる
瞳のはし ふと視線感じた
さりげなく席を立って
トランクを持つのよ
懐かしい街に寄ったの
シェルプールは霧雨
背を向けてコインを投げた
噴水も雨の中
帰らない日々
私は独り