歌を抱えて
食卓に並び切らないほどの魚料理
帰ってくる僕にとお父さんが釣ってきたらしい
「都会じゃなかなかこんな魚は食えんじゃろ?」
そう言って刺身を頬張る僕の顔を嬉しそうに眺めていたね
夕方のキャッチボール だんだんと熱くなるお父さん
何度も何度も 投げ方が悪いと 叱られた
「あの時は厳しくしすぎた」と後悔してたけど
仕事から帰って来るのを毎日毎日待ちわびていたよ
計画が苦手なお父さんの運転で家族旅行
思いつくまま 先へと進むもんだから
山道の国道 食事にありつけず2時間半
空腹を凌いだ後のレストランのカレーライスは格別だった
思い出がひとりぼっちになってしまったよ
頭の上をゆらゆら揺れてただ彷徨ってるだけ
僕の記憶は朧げで頼りないから
もっと話して思いを馳せて
笑い合いたかった あの日に帰ったかのように
お母さんが旅立って21年がんばったね
独りになった虚しさと闘いながら
それなのに いつもいつも僕らのことを
心配してくれたよね 二人分の愛を注いでくれようとしていた
思い出はひとりぼっちになってしまうけど
振りむけばそこは日向ばかりで陰りのない道
あなたのもとへ生まれて来て良かったな
決して消えないその繋がりに
さよならなんて似合う言葉じゃないな
最近やっと僕の歌を褒めてくれた
だからもっとそばで聴いて欲しかったのに
大好きな海に二人で舟を浮かべて
幸せそうに旅に出た ずっと届けばいいな
現在の僕の歌が