老人
章 徳永
ゆがんだタバコを口にくわえ
公園のベンチにたたずむ老人
遊び疲れて帰る子供に
ほほえみ手をふる姿が泣いている
破れたポケットに一枚の写真
想い出だけが彼の友達
帰らぬ昔を大事にかかえて
生きてゆくことそれしか出来ない
つぶやく声が言葉にならず
風の中に消えてゆく
遠くで聞える街のざわめき
まるであざけり笑うかのように
ゆがんだタバコを口にくわえ
公園のベンチにたたずむ老人
遊び疲れて帰る子供に
ほほえみ手をふる姿が泣いている
ほほえみ手をふる姿が泣いている