君が僕の心臓じゃないせいで
Bak, Chimeraz
花一つ置き忘れてた
声一つ伝えそびれた
夏茹だるアスファルトごと
香り立つあの日の匂い
泣いて大抵忘れられるよ
なんて謳ってくれる歌がある
でもね けどね
瞼に張り付いた会いたいは
消えないままで
花束を抱えている
伝えたい事 花ひとつ
君が僕の心臓じゃないせいで
君の手を覚えている
花二つ 入れ替わるたび
声一つ 思い出す度
夏茹だる 陽炎を見た
風早む 入道の雲
拝啓なんて書きだせばいい
会えない会いたいを濡らす涙
でもね けどね 藍 滲む言葉を
書き記すと止まらなくて
花束を抱えている
伝えたい事 花ひとつ
君が僕の脊髄じゃないせいで
君に会おうとしている
あのね ごめんね まだ覚えている
汗ばんだ手を握りしめていた
どうせだったら教えてくれよ
君の忘れ方を
花束を抱えている
伝えたい事 花ひとつ
君が僕の静脈流れるから
僕は花を動脈に
心臓は君と二人
あの日から僕の中に
赤と青が出会う時
脈を打つ君の命