色に出ず
Keina Suda
あの日去った青空は
何処か濁って映っていた
どのみち もう定かでない
頭の中の景色だから
気にも留めない
街路樹の色
共に赦した小部屋の孤独
あなたの体温が思い出せないの
いつからだろうな
あなたは何処で何をしているの
何を見て 何を感じて生きているの 嗚呼
あの季節に僕はまだ取り残されて
冷たい風を浴びている
あの日酔った人混みで
あなたを未だ探している
変わってしまった街の中
変わる事がただ怖かった
心許ない
青枯の日々
確かなうつつを見過ごしては
あなたの影を見失ってしまった
古い記憶みたいに
あなたは何処で何をしているの
誰を見て 誰を感じて生きているの 嗚呼
あの日暮れに僕はまだ取り残されて
眠たい風を浴びている
この街は浴槽みたいだ
すぐに流れ溢れゆくばかりだな
でも何故か愛してしまうよ
冷えてゆくばかりなのに
あなたは何処で何をしているの
何を見て 何を感じて生きているの 嗚呼
あの季節に僕はまだ取り残されて
冷たい風を浴びている
しのぶれど色に出ず