魚肉ソーセージと人
Akiko Yano
うちへ帰りたい 今すぐ帰りたい
やわらかいもの 包まれたい
弾んだボールを 追いかけてるうち
見失って どうしようもない
魚肉ソーセージと野菜をさっと炒めて
母が作った ありあわせは同じ味
母も逃げ出したいことが いつか あったのだろうか
うちへおいでよ いつでもおいでよ
ありったけのハグもあるよ
助けが欲しいって 言えなかったから
せめて今 助けてあげたい
魚肉ソーセージは ラーメンの鍋の中
父が作った 小腹が空く 同じ時
父も泣くしかない時が いつか あったのだろうか
ひとりひとりは ひとりを生きる
夫婦でも 5人家族でも
ひとりひとりは ひとりを生きる
魚肉ソーセージと 共に生きる