りんごのにおいと風の国
Yumi Matsutoya
ハロウィーン
木枯らしのバスが夕暮れの街を過ぎれば
うつむいた人々 どれもが似ている顔
たぶん あなたの愛した
私はどこにもいないの
若さが創った美しすぎるまぼろし
もういけない たずねてゆけない
わがままなあなたをゆるしそう
ハロウィーン
りんごのにおいと風の国へ急ぎます
ハロウィーン
いのこずち ひとつ
くちづけてセーターに投げたの
言えなかった想いを残らずこめるように
そして ストーヴの前で
ぬいだとき気づいて欲しい
小さなブローチ 短い秋のピリオド
もういけない たずねてゆけない
ひたむきなあなたを探しそう
ハロウィーン
りんごのにおいと風の国へ急ぎます
風の国へ急ぎます