木枯らしが届く頃に

Katsuhiko Yamamoto

もうすぐ今年も秋が
過ぎ去ってしまう頃に
終わりを感じる風に
寂しさが募るけれど

必ずまた巡る季節が
僕をこの場所へと運ぶから
夢に駆けった靴を少し
この地に預けて

ゆらゆらり ゆらゆれて
風行くままに委ねながら
この空に浮かぶ雲みたいに 飛びたい
ただ遠く 遠くへと
全てが届かない場所でも
ここにある大切なものを離さず
いつからか いつの日か
この地が変わり果てていても
あなたがいれば また今日の続きに戻る
同じ秋風が届く頃に

月が照らすこの場所は
同じ色映すままで
幾つ歳を重ねても
消えない日の道標

あなたはそれでいいから
そのままのあなたでいいから
纏う姿が今と少し
形を変えても

いつまでも いつまでも
違わぬあなたのままでいて
隔たれた時間が 何かを奪っても
同じ季節 同じ音
同じ香りが 今を運び
時を超え あなたの心へと繋ぐ
今ここで 描いていた
未来は変わり果てていても
あなたが笑えば またすべて元に戻る
これで良かったと思える

もうすぐ今年も秋が
過ぎ去ってしまうけれど
あなたと僕を繋ぐ風が
ここにきっと届く

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