脂肪
パンプス脱いで ドアにもたれて
彼女は今日もため息つく
冷蔵庫の光を探す
こみあげてくる
胸のジェラシー
ソーダで飲み込んだ
誰もこない部屋は隠れ家
いつのまにか胸の中に
脂肪みたいなやわらかい壁
忘れてしまいたいことばっか
夢を見てたいの
憂鬱をのせた
タルトを一切れ
一口で食べる
誘惑のフォークで
次の一切れ
そしていつの日か
孤独だけが太ってゆくの
恋の切なさを
寒い夜の歌を
心が叫んでいる
ねえどうか気付いて
自分を食べてしまう前に
彼は言ったわ 慕ってくる
あの子が急に 気になるなんて
バーベキュー味 袋を破る
わからないのね
試食みたいな
幼い恋でしょ
悲しみの皮を
ナイフで剥いたら
一口かじるの
なぐさめの甘い蜜
味わいつくす
そしていつの日か
孤独だけが太ってゆくの
恋の切なさを
寒い夜の歌を
心が叫んでいる
ねえどうか気付いて
自分を食べてしまう前に
そしていつの日か
孤独だけが太ってゆくの
恋の切なさを
寒い夜の歌を
誰も知らない君を
ねえどうか吐き出して
恋の切なさを
寒い夜の歌を
心が叫んでいる
ねえどうか気付いて
自分の心まで食べてしまう前に